フード＆ドリンク

チョコレートの歴史

「チョコレートは食べることができる幸せ」――このウルスラ・コハウプトの言葉は、チョコレートの魅力を端的に表した名言として知られています。

2分 25 Jul 2020

キュナード

著者

豊かな発見

チョコレートは2,000年以上にわたる長い歴史を持ち、古代から現代に至るまで、常に人々に愛されてきました。この記事では、カカオ豆がチョコレートバーになるまでの工程をご紹介します。

 

最も古いチョコレートの痕跡は、中米で発見されました。紀元前1900年から900年にかけて作られた陶器の破片から、発酵したカカオの残留物が検出されたのです。マヤ文明の文献には、神々とのつながりを保つために用いられていたチョコレートドリンクについての記述があります。このドリンクは、カカオペーストに水、粗く砕いたトウモロコシ、そしてチリペッパーを混ぜて作られていました。この飲み物は、今日のホットチョコレートのように泡立っていたと考えられています。

カカオをヨーロッパにもたらし、そこに甘みを加えたのはスペイン人でした。これをきっかけに、チョコレートの人気は爆発的に広がっていきます。産業革命の時代には、チョコレート製造の新たな工程が開発され、1875年にはアンリ・ネスレの粉ミルクを使ってミルクチョコレートが発明されました。その後の1世紀にわたり、チョコレートの製造は進化を続け、世界中で親しまれる甘いお菓子となったのです。

 

カカオの木は1つのさやに30～40粒の豆を実らせます。これらの豆は発酵、乾燥、洗浄、焙煎、選別の工程を経て加工されます。風味の核となる“ニブ”が取り出され、粉砕・液状化されたあと、ココアソリッド（カカオ固形分）とココアバターに分離されます。これらをさまざまな比率で再び組み合わせることで、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ダークチョコレートといった種類が作られるのです。

世界のカカオの約3分の2は西アフリカで栽培されており、そのうち約43％がコートジボワール産です。中央アメリカやカリブ海の島々でも、毎年大量のカカオが生産され、世界中で楽しまれています。

 

ヨーロッパで最も有名なチョコレート生産国といえば、ベルギーとスイスでしょう。両国のチョコレートづくりの伝統は17世紀にまでさかのぼり、トリュフやプラリネなどの代表的な製品で知られています。

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