Antony Inglis conducts the National Symphony Orchestra on the Royal Court Theatre stage on Cunard's Queen Mary 2

Cunard

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NSOをキュナードのクルーズにお迎えしてから15年になります。この期間で、思い出に残っている出来事を教えていただけますか?

 

アンソニー・イングリス:初期のクルーズでのお客様合唱体験の最初のリハーサルのときのことです。ある女性が私のところに来て、彼女の生涯の望みをNSOが叶えた、とおっしゃったのです。その理由を尋ねると、80年前にまだ少女だったころ、音楽の先生から「あなたの声はひどいので、学校集会では絶対に歌ってはいけません。歌っているふりをしなさい、そうしないと音が台無しになります」と言われたのだそうです。彼女はそのことで怖気づいてしまい、歌ってみたいと思い続けていたにもかかわらず、合唱に加わったことはありませんでした。クイーン・メリー 2ではオーディションはありません。先着順でどなたでも歓迎されるため、彼女は歌うことに情熱を持った人々の中に混じることができました…そして、もう歌うふりをする必要はありませんでした。

 

ジャスティン・ピアソン:クイーン・メリー 2に乗ってアンソニー・イングリスと一緒に果たした最初の大西洋横断は、とても懐かしい記憶として私の中に残っています。初めて船の中を歩き回ること(自分が船の後方にいるのか前方にいるのかわかるまでに数日かかりました)、この素晴らしい船で体験できるすべてを探索することにわくわくしたのを覚えています。船上生活のペースにも慣れ、ゆったりとした優雅な食事、デッキの散歩を楽しんだり、地平線でクジラやイルカを探したり、波の心地良い揺れに誘われてぐっすり眠ったりして過ごしました。最も素晴らしかったのは、オーケストラのメンバー全員が朝早く起きて、初めて訪れるニューヨークを海の上から見たときでした。このような体験ではできません。朝のきりっと引き締まった爽やかな空気を感じながらデッキに立つと、満点の星が朝の光に照らされ、地平線から摩天楼の頂上が姿を現し、ブルックリン橋の下をくぐり、街の象徴である自由の女神像を通り過ぎ、最期にまさにニューヨークという独特な風景の中心に到着するのです。

 

ハシュミ船長:アンソニー・イングリス氏が、ロンドンのキュナードのイベントでの出会いをきっかけに、クイーン・メリー 2で彼とNSOとともに演奏をしないかと私を誘ってくれたのです。そして4か月ほど練習を重ねたあと、気がつくと私はステージ上のピアノで、ドホナーニの『童謡の主題による変奏曲』をオーケストラをバックにソロで演奏していました。私はNSOに2回招いていただきましたが、イングリス氏のオーケストラの指揮を務めさせていただくというご光栄に預かったこともあります。どう考えても、私はコンサートに出られるようなピアニストではありません。私にとってステージ上での最も長い12秒でしたが、とても楽しい思い出になりました。

洋上と陸上のパフォーマンスでは、どのような違いがありますか?

 

イングリス:明らかに違うのは、船の揺れです。弓と弦、口とマウスピースを当てようとして、楽器が自分の下から動くのを感じると、それがたとえわずかであっても当惑させられます。しかし、北大西洋向けに建造された客船、クイーン・メリー 2で演奏することができてとても幸運です。大西洋での最悪の天候の中でも、揺れは最小限に抑えられるからです。

 

ピアソン:NSOの英国での公演は、コンサートホールでのリハーサルであったり、スタジオでのレコーディングであったり、ウエスト・エンドの劇場でのミュージカル出演であったりします。上演が終われば、みんなは各自の家に帰っていきます。地方のコンサートホールから帰宅すると夜遅くなることもよくあります。翌朝も仕事があったり、アーリーチェックインのために空港に行く必要があったりもするので、一晩たっぷり眠れることはまれです。クイーン・メリー 2では、演奏する場所の非常に近くに部屋があるという贅沢が得られます。私は、演奏10分前に出ればよいという事実に慣れていないため、リハーサルや本番にはいつも早く着いてしまいます。また、キュナードではお客様がパフォーマンスに参加されますが、通常の公演でお客様に会うことはほとんどありません。これも、通常の演奏活動との違いです。クイーン・メリー 2で演奏する大きな楽しみのひとつは、お客様と話して、音楽に対する共通の情熱、私たちのコンサートについての感想や励ましの言葉を聞くことができることです。私は長年にわたってお客様とたくさんの会話を交わし、心に響く言葉を多くいただきました。誰もが語るべき素晴らしいストーリーを持っており、その中にお客様の謙虚さとつつましさが感じられ、大変心を打たれました。クイーン・メリー 2では、私たちは皆、共通の海路をゆき、同様の体験を共有する旅の仲間なのです。

Anthony Inglis and the National Symphony Orchestra smile with Captain Hashmi at the front of Queen Mary 2

船上でのパフォーマンスに対するお客様の反応はどうですか?

 

イングリス:2024年はNSOの初めての大西洋横断から15周年にあたり、私たちのパフォーマンスはキュナードで最も長く続いているテーマクルーズのうちのひとつです。お客様だけでなく乗組員の方々も当クルーズを待ち望んでいることを非常にうれしく思います。私たちがこの期待に応えると、お客様はパフォーマンス毎にスタンディング・オベーションで称えてくださいます。私たちにとって、クイーン・メリー 2は現存する中で最も偉大な船です。

 

ピアソン:合唱団で歌ってくださるお客様は、いつも本当にパワフルです。国際的な指揮者アンソニー・イングリスとのわずか数回のセッションだけで、彼らは参加を申し込んだ他のお客様たちと息の合った演奏をすることができるのです。リハーサルでイングリスは、音楽的な要求を素晴らしいユーモアと楽しさに包んで伝えます。これによって合唱団はライブパフォーマンスのスリルを楽しみ、短時間の練習で美しいハーモニーを完成させ、プロ並みの歌唱を披露することができます。これには劇場で見ている側のお客様が驚くこともよくあります。

 

ハシュミ船長:著名な指揮者アンソニー・イングリス氏が率いるNSOはキュナードの航海カレンダーに欠かせない存在です。魅力的で楽しい音楽とイングリス氏の比類のないショーマンシップが融合したNSOのパフォーマンスは、大変な盛り上がりを見せます。船上でのNSOのパフォーマンスを聴いている方々は立ち上がり、歌を歌ったり、旗を振ったりして楽しまれます。船内はダンスパーティーと見まごうばかりの楽しさに包まれます。

「アンコール」はありますか?

2024年10月4日そして2025年9月3日にも、クイーン・メリー 2でアンソニー・イングリスと英国ナショナル交響楽団 クルーズが再び開催されます。2024年のクルーズについての詳細2025年のクルーズについての詳細をご覧のうえ、オンラインで客室を予約して、この見逃せないテーマクルーズにぜひご乗船ください。

キュナードの船上体験