Fishing hut in the Hamnoy - Reine, Lofoten islands, Norway.; Shutterstock ID 1071224996; Invoice Number: -
Grey silhouette of a person's head and shoulders

ニック ブーロス

著者

ロフォーテン諸島の奥深く、風が音を立てて山々や冷たい氷河の間を吹き抜け、趣のある赤く塗られた木造の小屋が静かにきしむ港には、どこか魚臭さが漂います。

 

でもこれは昔からのことで、珍しくはありません。北極圏、つまりノルウェーのかなり北にある厳しいながらも天国のような地域では、何千年もの間、魚が命の糧となってきました。

 

地元の歴史家、クリスティーヌ・モルツは次のように述べています。「6,000年以上前に人間がここに暮らしていた証拠が見つかっています。彼らは、骨と角でできた釣り針で釣りをして生活していました。」

この地は175kmにわたって広がり、雲に隠れるほどの頂は高さ1,000mを超え、フィヨルドや氷河、クジラや舞い降りるワシ、そして大昔からの手法や静かな伝統が息づく場所です。

 

諸島の中心となるのはレクネス港です。この港は、この地域の豊かな歴史をもう少し詳しく知るには絶好の拠点です。

カベルヴォーグのロフォーテン博物館では、伝統的な漁業を詳しく学べます。また、ロフォート・バイキング博物館では、幅83mにもなる北欧最大のバイキング・ハウスを再現しています。さらに本格的なバイキングの体験をするなら、歌、ダンスに挑戦してみませんか。

 

本物の楽しみは、大自然の中にあります。フィヨルドや火山でできた花崗岩の小島が集まるこの地域に現在住んでいるのは、わずか24,500人。この人々は、魅力的なヌスフィヨルドやヘニングスヴァールなど、幅広い地域に点在する小さな漁村に住んでいます。

 

これらの小さなコミュニティでは、高くそびえる木枠に吊るされた何千もの干し魚が見られます。この塩漬けしていない魚(多くはタラ)は冷たい空気で乾燥させたもので、ロフォーテン諸島の主要な産物です。クリスティーヌは「乾燥の手法は千年もの間変わっていません」と語ります。

この文化的背景も、惜しみない敬意をもってかつて信奉されていた数多くの迷信に支えられてきたようです。釣りに関しては、陸と海は断固として分離するということが常に唱えられてきました。「陸に関する設備や参考になる書物を船に持ち込むのは禁止されていました。牛や馬といった言葉でさえも禁止されていたのです」とクリスティーヌは説明します。

 

このような信仰や迷信の存在が姿を消してからずいぶん経つものの、この昔のままの島々では、ここのたくましい住民たちが何世代にもわたって続けてきた暮らしぶりは、想像に難くありません。どんな天気でもウールと動物の皮で身を包み、厳しい環境の中で生活していたに違いありません。

Reine fishing village on Lofoten islands, Norway; Shutterstock ID 209912017; Invoice Number: -

小さなコミュニティでは、18世紀まで木で枠を組み樹皮と泥炭で覆われたシンプルな木の家に暮らしていました。建築資材や資金が不足していたため、リサイクルが一般的でした。そのため、住宅はしばしば解体され、その部品を再利用して新しい家が建てられました。

 

ロルブーと呼ばれる、2部屋からなる小さな漁師小屋もありました。現在でも似たようなものが建っています。ボートで到着した漁師たちがロルブーを借り、そのシーズンを通して滞在していました。

 

この歴史的に重要な情報は、現在ここを訪れる人が歓迎されているように、昔から船でやってきた人たちが現地のコミュニティに温かく迎えられていたことを示しています。

ノルウェーのこの地域へのクルーズでは、この興味深い島々について深く知ることのできるさまざまなツアーをお楽しみいただけます。たとえば、ロフォーテン・ヘリテージ・トレイルでは、フラックスタッド湾沿いを魅力的な13世紀の赤い教会までドライブし、その後は、漁師のボートや道具、前世紀の工芸品を集めたスンド博物館へ向かいます。

 

レクネス・ツアーでは、息をのむような島の景色を心ゆくまでご堪能いただけます。ロフォーテン諸島で最ものどかで保存状態の良い村のひとつ、ヌスフィヨルド漁村の訪問も含まれています。

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