キュナードの船旅では、エレガントな高級レストランでのコースディナーや、くつろぎのひとときを彩るパブ料理、そして世界的に名高いアフタヌーンティーなど、心躍る美食体験をご堪能いただけます。本ガイドでは、船内での豊富なダイニングオプションと、必要に応じたご予約方法について詳しくご紹介いたします。ご乗船中に、極上のひとときを存分にお楽しみいただけるよう、ぜひご活用ください。
極上のスパークリングワイン体験
特別な日の祝福はもちろん、美味しい食事を引き立てたい時や、自分へのちょっとしたご褒美にも。スパークリングワインには、自然とお祝いの気分を高めてくれる華やかさと、心を弾ませるような味わいがあります。
5分
17 Nov 2021
かつてベルナール・ドゥ・ノナンクールはこう語りました。「成功に必要な要素は2つあります。簡単に言えば、それは“人の質”と“製品の質”です。」
キュナードでは、朝食には爽やかなバックス・フィズ、プールサイドではよく冷えたプロセッコ、夕暮れ時には華やかなシャンパンカクテル、そして夕食後には芳醇なカヴァなど、1日を通してシーンに合わせたスパークリングドリンクをご用意しています。また、ローラン・ペリエとのコラボレーションによる「キュナード・シャンパン・アフタヌーン・ティー」も広く知られています。この特別なひとときでは、極上のスパークリングワインの魅力を堪能しながら、シャンパンにまつわる神話をひも解き、その華やかな歴史と奥深い文化について学ぶことができます。乾杯！
シャンパン
シャンパンは、主にシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエという3種類のブドウを使用し、「メトード・シャンプノワーズ（シャンパン方式）」と呼ばれる伝統的な製法で造られます。アルコールの一次発酵を経たワインは、ボトルの中で二次発酵を行い、その過程で発生した二酸化炭素がワインに溶け込むことで、あの繊細で美しい泡が生まれるのです。シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で製造され、厳格な規定のもとで管理されています。その名称は、公式機関である「コミテ・シャンパーニュ」によって保護されており、他地域で造られたスパークリングワインには使用できません。なお、フランス国内の他の地域で生産されたスパークリングワインは「クレマン」と呼ばれています。
キュナードでは、ローラン・ペリエを公式シャンパン・パートナーとして迎え、フラッグシップであるクイーン・メリー2にて、洋上初となる「ローラン・ペリエ・シャンパン・バー」をオープンできたことを大変誇りに思っています。
カヴァ
カヴァは、主にスペイン産の3種類のブドウ――マカベオ、パレリャーダ、チャレッロ――から造られるスパークリングワインです。その起源は19世紀半ば、ホセ・ラベントスがフランスのシャンパーニュ地方を訪れ、同じ製法でスペイン産スパークリングワインを造ることに着想を得たことに始まります。21年後、彼はカタルーニャ州ペネデスのブドウ畑で、最初のカヴァを完成させました。カヴァはシャンパンと同様に、ボトル内で二次発酵を行う「伝統的製法（メトード・トラディショナル）」で造られます。この製法で造られたものだけが「カヴァ」と名乗ることが許されています。ただし、カタルーニャ州以外にも、ラ・リオハ、バスク地方、バレンシアなどスペイン各地で生産されています。また、シャンパンと同様に、カヴァも熟成を重ねることでその価値と味わいが深まっていきます。
プロセッコ
イタリア北東部のヴェネト地方にある村の名前に由来するプロセッコは、シャンパンと同様に、ヨーロッパの法律によってその名称が保護されています。このワインは、ローマ時代にまでさかのぼる歴史を持つグレーラ種のブドウから造られます。発酵は2回行われ、2回目は瓶内ではなくステンレスタンク内で行われるのが特徴です。この製法は「シャルマ方式」と呼ばれています。プロセッコはスパークリング、セミスパークリング、またはスティルワインとして生産されますが、いずれのタイプも熟成させず、フレッシュなうちに楽しむのが最適です。
輝かしい成功
イギリス産の高品質なワインは、近年になってようやくその実力が広く認められ、数々の賞を受賞するようになっています。イギリスで生産されるワインの多くはスパークリングワインであり、そのほとんどがシャンパーニュと同じ3種のブドウ品種を使用しています。特に南東イングランドのサセックス、ハンプシャー、ケントといった地域は、白亜質の土壌と冷涼な気候がフランスのシャンパーニュ地方と非常に似ており、ワイン造りに理想的な環境とされています。
シャンパンの開栓
シャンパンのコルクは、ボトル内に発生する二酸化炭素の泡によって非常に高い圧力を受けており、その圧力は一般的な車のタイヤの約3倍にも達します。そのため、コルクは時速およそ80kmという驚くべき速さで飛び出すことがあります。このようなシャンパンの揮発性の高さは、「悪魔の勝利」とも呼ばれ、泡と香りが一瞬で失われてしまう様子を表現しています。これを防ぐために使われるのが「ミュゼレ」と呼ばれる細いワイヤーで、コルクをしっかりと固定し、シャンパンの泡を保つ役割を果たしています。
選りすぐり
「キュヴェ」という言葉は「桶から」を意味し、一般的には特定のブレンドやバッチを指す用語として使われます。特にシャンパーニュ地方や、伝統的な製法でスパークリングワインを造る地域では、キュヴェは圧搾されたブドウから最初に得られる、最も質の高い果汁を意味します。シャンパンの製造においては、4,000kgのブドウから最初に搾られる2,050リットルの果汁が「キュヴェ」とされ、これは最高品質と見なされます。その後に得られる500リットルの果汁は「タイユ（＝終わり）」と呼ばれ、品質が劣るため、通常はシャンパンには使用されません。
完璧なビンテージ
「ビンテージ」とは、特定の年に収穫されたブドウのみを使用して造られるスパークリングワインを指します。一方、「ノン・ビンテージ」は、複数の年のブドウをブレンドして作られたワインのことです。よく耳にする「ハウススタイル」とは、毎年異なる収穫年のブドウを組み合わせて造られるノン・ビンテージ・シャンパンのことで、各メゾン（生産者）の個性や品質を安定して表現するためのスタイルです。ビンテージ・シャンパンは、その年のブドウの出来が特に優れていると判断された年にのみ造られ、10年のうち3～4回程度しか生産されない、希少性の高いワインです。
どの航路を選んでも、キュナードのクルーズではスパークリングワインが旅の魅力を一層引き立てます。フランス、イタリア、スペインなど、世界各地から厳選されたスパークリングワインを、グラスでもボトルでもお楽しみいただけます。その豊かな味わいが、海の旅に華やかさを添えてくれることでしょう。
ワクワクするテイスティング
バターやフローラル、ビスケット、トーストといった表現は、スパークリングワインの豊かな香りや味わいを語る際によく使われます。シャープでドライなものから、繊細でフルーティーなものまで、その風味の幅広さは実に多彩です。スパークリングワインは、カナッペやウエディングケーキといった定番の組み合わせだけでなく、甘味のある料理や塩気のある料理とも見事に調和します。その万能さが、食卓にさらなる楽しみをもたらしてくれるのです。
ワインと料理のペアリングに関する著書を2冊執筆し、キュナードのワインクルーズにもゲストとして参加した経験を持つチャールズ・メトカーフ氏が、スパークリングワインと料理の理想的な組み合わせについてこう語ります：
「多くのシャンパンやカヴァは辛口に近いため、塩味のある料理と非常に相性が良いのです。たとえば、シャンパンはカキやシーフードリゾット、舌平目のグリルなどの魚介料理とよく合います。カヴァはタパスとの組み合わせが抜群です。プロセッコは甘味のある料理にも合いますが、肉加工食品とのコントラストも抜群です。たとえば、プロシュートなどの塩味の効いた肉や、パルメザンチーズやグラナ・パダーノといったハードチーズもおすすめです。」
お祝いにぴったり
ホリデーシーズンには、シャンパンの華やかな泡と味わいが、特別な瞬間を一層引き立ててくれます。弊社パートナーのローラン・ペリエが、クリスマスにシャンパンを提供する際の大切なアドバイスをご紹介します。
「お祝いの場では、シャンパンを常に氷の上に置いておきましょう。8℃から10℃の間で提供・保存するようにしてください。ボトルを開ける時は、45度の角度で持ち、安全な方向に向け、ホイルを外してワイヤーケージをゆるめます。コルクとワイヤーケージに少し圧力をかけながら、コルクが出てくるまでボトルの底を回します。できればチューリップの形をしたフルートグラスに入れて提供し、香りを十分楽しんでください。」
「キュヴェ・ロゼでは、一口ごとに新鮮なレッドフルーツの香りを楽しめます。その深い香りとのペアリングに理想的なのは、ハムなどの加工肉、鶏肉、魚のマリネ、エビのグリル、パルマハムなどです。また、レッドフルーツのデザートには特に合います。冒険してみたい方は、アジア料理やインド料理と合わせてもいいかもしれません。」
そしてもちろん、グラスに注がれた泡立つシャンパンは、船上での誕生日やクリスマスの乾杯、新年の祝いの際に、スタイリッシュにその瞬間を彩るのに最適です。
