パゴパゴ(米領サモア)

パゴパゴ(実際の発音は「パンゴパンゴ」)の近くにはモダンなショッピングモールもありますが、島の伝統的な生活様式である「ファアサモア」にすぐ触れることができます。英語は広く話され、アメリカ式の発音が一般的ですが、サモア語の歌うような響きもトゥトゥイラ島全域で耳にすることができます。
到着時には、アバの儀式で迎えられることもあります。大切な訪問者をもてなすこの古くからの習わしでは、地元の植物の乾燥根からつくる飲み物が、決められた順番でひとりずつに供されます。ツアーによっては、伝統的なウム料理の実演に参加できる場合もあります。熱した火山岩の上にパンノキや魚などを置き、バナナの葉で包んで蒸し焼きにする、地元流のバーベキュー料理です。
サモアのダンスを鑑賞したり、地元の神話や伝説に耳を傾けたりするのも魅力のひとつです。そのひとつに、美しい「タートル&シャーク」の物語があります。かつて盲目の老婦人と孫娘がヴァイトギ近くの崖から海に身を投じ、波の衝撃によってサメとウミガメに姿を変えたと伝えられています。いまでも村人たちの間では、2人の名前を唱えるとその姿が現れると言われています。
首都には、こぢんまりとしたジャン・P・ハイドン博物館があり、サモア文化についてより深く学ぶことができます。戦闘用カヌーやタトゥー、地元の工芸品、ニクソン大統領から贈られた月の石といった意外な展示物もあります。また、1904年に完成した米領サモア裁判所をはじめ、植民地時代の建物もいくつか残っています。
とはいえ、訪れる多くの人が最も楽しみにしているのは、島の壮大な自然美でしょう。トゥトゥイラ島に近づく飛行機や船上から、すでにその魅力が感じられます。パゴパゴ湾へ入っていくと、湾を見守るようにそびえるピオア山(レインメーカー山)が姿を現します。標高518mの山頂には雲がかかりやすく、この地域の降雨量が多く、周囲がエメラルド色に潤っている理由でもあります。
また、1830年に島で最初の宣教師団が上陸したレオネ村を訪れるのもおすすめです。敬虔な島の文化の中に、彼らの足跡が今も息づいています。切り立った崖を背景にうっそうとした森が覆う沖合の小島「フラワー・ポット・ロック」や「コックスコーム」は、思わず写真を撮りたくなる景観です。これらの入り江、断崖、渓谷、そして村々が織りなす風景が、この南太平洋の美しい島を象徴しています。