グレイシャー・ベイ国立公園、アラスカ州(アメリカ)(シーニッククルージング)

雪を頂く山頂、豊富な野生生物、きらきらと輝く氷河。グレイシャー・ベイ国立公園がアラスカのインサイド・パッセージの至宝とみなされるのも不思議ではありません。

グレイシャー・ベイ国立公園の寄港地案内

世界遺産に登録されている1,010億m²の地域の一部で、134億m²の広さを持つグレイシャー・ベイ国立公園へのクルーズでは、地球上で最も印象的な潮水氷河の1つが待っています。

グレイシャー・ベイ国立公園の人気観光スポット

グレイシャー・ベイ国立公園のクルーズには、枚挙にいとまがないほどたくさんの見どころがあります。どの方向を見てもそびえ立つ山々、巨大な氷山、雄大な氷河が果てしなく広がり、地平線の向こうに消えていきます。クルーズ船のデッキから、または客室のバルコニーで毛布に身を包み温まりながら、スリル満点の景色を静かに眺めましょう。

この公園には1,000以上の氷河があり、その大半は周囲の山々に囲まれ大自然の高層ビルのように陸と空をつないでいます。グレイシャー・ベイの山々は4,500mの高さにまでそびえ、海岸沿いの山脈としては世界最高峰です。降雪量が豊富なため、氷河の形成に最適な場所となっています。

グレイシャー・ベイ国立公園クルーズのハイライトの1つは、きらめく巨大な氷が削られる様子を見ることでしょう。数十メートルの海面下から海上数十メートルにまでそびえる切り立った巨大な氷塊は定期的に轟音を立てて崩れ落ち、氷山の群れになります。とても感動的な光景です。

アラスカ州グレイシャー・ベイ国立公園の楽しみ方

グレイシャー・ベイ国立公園を巡るならクルーズが一番と言われるのには理由があります。グレイシャー・ベイでは木が密集した雨林があり、トレイルが少ない(道路はさらに少ない)ため、国立公園の至宝へは海からアクセスするのが一番です。

グレイシャー・ベイ国立公園は、有名な潮水氷河に加え、バラエティに富んだ野生生物の生息地としても知られます。水面に飛び出したり尾を打ち付けたりする巨大なザトウクジラがしばしば観察され、水面を静かに滑るシャチの群れや岩盤で日光浴を楽しむアシカの群れも見られます。どこまでも続く自然のままの海岸線を航海する間に、ヒグマ、シロイワヤギ、ヘラジカなどに出会えるかもしれません。また空を見上げると、珍しいツノメドリや優雅な姿のハクトウワシなど数百種類の鳥も観察できることでしょう。

この自然保護区での体験をさらに充実させるため、国立公園局のレンジャーが乗船し、この魅力的な地域についてより詳しく説明してくれます。目の前に広がる壮大な風景、氷河、野生動物についての興味深い事実を多数紹介し、舞台裏で行われている保護活動の一部についても話してくれます。また、このユネスコエコパークの歴史やここに生息する多くの生物に関するご質問にも答えてくれます。

グレイシャー・ベイ国立公園の文化と歴史

グレイシャー・ベイ国立公園に魅了されるのは、旅行者だけではありません。長年にわたり自然学者、科学者、保護主義者などがグレイシャー・ベイ国立公園に隠された物語に魅了され、ここを訪れています。

1794年にジョージ・バンクーバー船長が湾(当時は単にグレイシャーと呼ばれていました)を発見した際に記録したように、この地域全体はわずか200年前には幅約32km、厚さ約1,200mの氷に覆われていました。しかし自然保護主義者のジョン・ミューアが1879年に到着した時には姿は一変していました。氷河は後退し、カヌーで湾を進むことができました。ミューアはここで目にした別世界のような風景に魅せられ、アラスカに対する認識を、隔絶された荒地から類まれな美景を持つ地へと変えました。

しかし、グレイシャー・ベイを自然保護区に指定するよう請願したのは、1916年に一連の植物調査を行うためここを訪れた科学者ウィリアム・S・クーパーでした。手つかずの自然に圧倒された彼は、この場所を野生のまま残すべきだと考え、1925年にグレイシャー・ベイは国定公園となりました。それから50年後、当時の米国大統領ジミー・カーターはアラスカ国家利益土地保護法に署名し、グレイシャー・ベイを現在知られている国立公園および保護区として確立させました。