コスメル(メキシコ)
コスメルの寄港地案内
メキシコ本土の東海岸から19kmの沖合に位置するコスメルは、メキシコとカリブ海の特徴を併せ持つ島です。島ではマヤ文化の面影が随所に見られ、コロニアル建築の家々や教会が点在しています。現在では、コスメルは絵はがきのように美しい観光地となっています。観光にぴったりの多彩な見どころと、太陽が輝く美しい自然が共存するこの地では、さまざまな過ごし方が楽しめます。
コスメルの人気観光スポット
コスメルでは、島最大の都市サン・ミゲル、またはその近くのクルーズ・ターミナルに停泊します。ここからは、自然、コロニアル建築、マヤの遺産など、さまざまな観光スポットを訪れることができます。
エル・カラコル考古学地区
島南部のプンタ・スール・エコロジカル・パーク内に位置するエル・カラコル遺跡は、街から車で約40分の場所にあります。その歴史は13世紀まで遡ると考えられています。「エル・カラコル」とはスペイン語で「カタツムリ」を意味しており、神殿の頂上にあるドームの装飾にカタツムリの殻が使われていることから、この名がつきました。風が強いと屋根から大きな音が鳴ることから、マヤの人々が一種のハリケーン警報システムとして建造したと考えられています。
サン・ヘルバシオ考古学地区
コスメル北部のジャングル内にあるサン・ヘルバシオもまた、マヤ独特の建造物です。クルーズ・ターミナルからは車で約30分で行くことができます。敷地内には神殿、住居、広場があり、月の女神イシュ・チェルが祀られ、多くのマヤ女性の子宝祈願の巡礼地として利用されていました。今日では遺跡や道を探訪したり、イグアナにも出会ったりすることができる場所になっています。
サン・ミゲル教会
スペイン人によって建てられたサン・ミゲル教会には、毎週カトリックの教区民が訪れます。興味深いことに、この教会、そしてサン・ミゲルという街の名前の由来は、より近代的な歴史にあります。およそ100年前、近所の畑を耕していた地元の農民たちが、象牙でできた大天使ミカエル(ミゲル)の像を発見しました。これは、1518年にコスメルに到着したスペインの征服者フアン・グリハルバのものであったと信じられています。この像は、キリスト教では聖ミカエルの祝日である9月29日に発見されました。そのため、地元の人々は、これを教会と街をそう命名すべきというサインと受け取ったのです。
コスメルの楽しみ方
コスメルには実にさまざまな楽しみ方があり、リストを絞り込むのは至難の業でしょう。すべてはお客様のご興味と港での停泊時間によります。この島で楽しめるアクティビティをいくつかご紹介します。
ビーチでのくつろぎのひとときとシュノーケリング
コスメルのビーチはのどかで、最高のシュノーケリングが楽しめます。コスメルには、世界で2番目に大きいサンゴ礁、メソアメリカン・バリア・リーフの一部を成すパランカル・リーフがあります。海中にあふれる色鮮やかな魚やサンゴをのぞいたり、ビーチに寝そべって太陽の光の下、柔らかな白い砂浜を満喫したりするのも良いでしょう。サン・ミゲルにあるプラヤ・カレティータスやプラヤ・カシータスは港からも近く、または南海岸にはプラヤ・エル・シエロ、東海岸にはプラヤ・プンタ・モレナがあります。
コスメル・パール・ファームを訪問
コスメルで有名なものの1つに真珠の養殖があります。真珠の養殖について詳しく知りたいなら、家族経営のコスメル・パール・ファームを訪れてみるのがおすすめです。島の人里離れた場所にある養殖場では、真珠の養殖技術について学び、孵化場を見学することができます。シュノーケリングで海に潜り、真珠が育つ様子を間近で観察したり、サンゴ礁を見たりすることもできます。
ディスカバー・マヤ・チョコレート
クルーズ港から車で南へ約20分のところにマヤ・カカオ・カンパニーがあります。カカオ豆を使って初めてチョコレートを作ったのはマヤ人とされ、チョコレートはマヤ文化において大きな役割を果たしていることで知られています。マヤ・カカオ・カンパニーでは、チョコレートの起源について理解を深めることができるほか、カカオ豆の栽培・発酵・乾燥・焙炒・磨砕、そしてペースト状になるまでの過程を学ぶことができます。もちろん、チョコレートの試食を楽しめる機会もたくさんあります。
自然を満喫
コスメルの大部分が未開発の無居住区となっているため、多くの野生動物が生息しています。人里離れたところに行きたいなら、南のプンタ・スールに向かうと良いでしょう。エコロジカルパーク内には、ビーチ、ラグーン、マングローブ、沖合のサンゴ礁があり、鳥やワニなどを見る機会もあります。また、頂上から絶景を眺めるなら、セラレイン灯台へ。上まで登ることができます。
コスメル周辺の飲食店
メキシコを訪れる旅行者の多くはメキシコ料理のファンになって帰国しますが、コスメルでもおそらく同じ結果が期待できるでしょう。カリブ海とメキシコの影響が見事に融合したこの島のグルメシーンは、とても魅力的です。
タコスやブリトー、口の中でとろけるようなチュロスなどの屋台料理に加え、エンチラーダやスパイシーなチョコレートソースを使ったメキシコならではの一品、モーレ・ポブラーノ・チキンなど、ボリュームたっぷりの料理もあります。魚がお好きな方には、セビーチェもあらゆるところで食べられます。オニカマス、マヒマヒ、マグロ、そしてモンガラカワハギは、いずれも島の海で獲れる新鮮なものです。
ドリンクに関しては、テキーラやメスカルという2種類の強いスピリッツを試す機会が多いでしょう。これらは、そのまま飲むかカクテルにして飲まれることが多くあります。美味しいお食事のお供には、爽やかなマルガリータや冷えたコロナ・ビールにライムのスライスを添えたものはいかがでしょうか。
コスメルのショッピング
コスメルに上陸すると、すぐにお土産を買えるショップが軒を並べているのが目に入るでしょう。毛布、革製品、彫刻、絵画など、さまざまなお土産品が販売されています。地元の特産品であるテキーラやバニラ、あるいは手編みのハンモックなどを選ぶのも良いでしょう。
コスメルで養殖される真珠とメキシコ本土で採れた銀を使った、シルバーと真珠のジュエリーも多く見られます。事実、メキシコは世界最大の銀生産国です。
現地の生活を間近で目にしたい方は、市営市場に行ってみましょう。ここは地元の食品市場で、色とりどりの新鮮な果物や野菜が豊富に揃います。お腹が空いていたら、屋台料理をテイクアウトするのも良いでしょう。シーフードタコス、じっくりとローストしたポーク、メキシコのアイスキャンディ、パレタスなどをご賞味ください。
コスメルでの移動
コスメルでは、サン・ミゲルの近くに停泊します。そこからは島の他の場所を簡単に探訪できます。タクシーはたくさん走っており、簡単につかまえることができます。規制はありますが、乗車する前に料金をご確認いただく方が良いでしょう。コレクティーボはミニバンのようなもので、ローカルバスの役割を果たしています。これらの料金は手ごろで、地元の人のようにコスメルを旅する楽しい方法です。
コスメル港の施設
コスメルには3つの港があり、キュナード船はプエルト・マヤかプンタ・ランゴスタに停泊します。後者はサン・ミゲルからすぐの場所にあり、ショップ、レストラン、観光案内所、トイレなどの便利な施設に簡単にアクセスできます。プエルト・マヤには2階建てのモールがあり、そこにもこれらの施設があります。
コスメルのお役立ち情報
通貨
コスメルの現地通貨はメキシコペソです。島内のほとんどの場所で米ドルをご利用いただけますが、多くの場合、お釣りはペソで返されます。ほとんどの大規模店舗ではカードを利用できますが、市場や小さな屋台でのお買い物には現金があると便利です。船上でも両替が可能です。また、ATMもサン・ミゲル市内の随所にあります。ただし、ATMは市内から離れると見つけにくくなるのでご注意ください。
チップ
コスメルやメキシコ全土では、チップの習慣はアメリカと似ています。カフェ、バー、レストラン、タクシーなどでは、料金の15~20%程度のチップを置くのが一般的です。
気候
コスメルは、一年中温暖な気候に恵まれています。年間を通して、気温が22°Cを下回ることはめったになく、最高気温は32°C前後まで上がります。最も暑い時期は5月から9月ですが、この時期の後半には雨が多くなります。9月と10月は最も暴風雨が多い時期です。